mkvie's blog

日々の殴り書き

SKK に挑戦してみる

そもそも SKK が何のことなのか分からない人が殆どなのではないかと想像する。SKK とは日本語 IME の一種で、日本語 IME には他にも Google IMEATOKことえりなどがある。

そもそも SKK に興味を持ったのは最近 Google IME が提示する選択肢に疑問を持つことが多かったからだ。「さいりよう」という単語に対して「最良」という候補が最初に現われたり、他にも気になる箇所はあった。とはいうものの、Google IME で利用することのできる顔文字機能などにはお世話になっている。

SKK だが、形態素解析を一切行わないという、他の IME とはスタートの段階でかなり違った方向に走っている IME だ。なんだか T-Code や TUT-Code を思いだすのは私だけだろうか? 形態素解析が無いということは、それだけ実装に必要なコストが少ないということだ。これはそのまま複数のプラットフォームで利用できる可能性が高いことを表している。実際に同じプラットフォームでも複数の実装が存在している。

SKK では形態素解析を人間が行なうことになる (正確には同じ作業を人間が行なう)。その分辞書が正確かつストレスの無いタイピングを行うには重要になってくる。しかしその辞書 (ユーザー辞書を含む) もテキストベースで記述されているので、メンテナンスは比較的楽にできる。

あまり考えたくない話だが、未来永劫 Google IME やその他の IME が存在するという保証は無い。それならば SKK のような (技術的にはそこまでの計算や実装コストを必要としない) IME で、「オレ辞書」とでも言うべき辞書を手元で管理するのも一案なのではないかと考えた。

どちらにしても実際に使ってみないことには評価もできない。Mac OS X (Mountain Lion) には AquaSKK を、Windows 7 には SKKIME を導入してみる。

…少しの間試してみるが、やっぱり最初は違和感を感じる。以下は SKKIME を使うにあたり私がハマッた箇所:

 ‐ Ctrl+Enter を有効にするには、Control+Return という項目に対して newline をアサインする。

 - SKKIME の場合、デフォルトではなぜか「?」という入力に対して「?」がアサインされているのに対して、「!」という入力にはシングルバイト文字の「!」がアサインされている。とりあえずローマ字設定からアサインし直しておくことにする。

 - "「" または "」" という文字を入力した直後に skkime が固まるような現象に遭遇する。これはバグなのか仕様なのか自分にはまだ判断できない。

 - 必要に応じてシングルバイト文字とマルチバイト文字の記号を使い分けたい時もある。例えば長音記号の「ー」とハイフンの "-" だが、SKKIME では z- というストロークを割り当てることで対応。他にも必要に応じて他の人はまず使わないだろうと思える ストロークを割り当てる。AquaSKK の場合、そのようなアサインを行う機構が見あたらず、「はいふん」という読みから変換する。これって期待されている動作なのだろうか?

SKK を使うと小指が痛くなるというが、本当だと思った。親指で色々なキーを押下することのできる Kinesis のキーボードでもまだ慣れない感じ。むしろ慣れていないキー配置に変更したがの裏目にでているのかも知れない。それから Ctrl-G を多用することになるので、予めそのよううなアサインが行われているアプリケーションは設定を変更しておいた方が良いだろう (Command キーが存在しない Windows のアプリケーションに多い気がする)。

今のところ、Google IME と比較すると SKK のタイピングスピードが明かに遅い。正直に言うと、この速度の差が今後満足のいくレベルまで縮まるのか分からなかったりする。もしかしたら普通に Google IME を使っていた方が幸せなのかも知れない。少なくとも1週間ぐらいは頑張ってみるべきか。

追記: こちらの記事によるとAquaSKK の場合 kana-rule.conf という設定ファイルを所定の場所へ置くことで上の「はいふん」問題に対応できるらしい。